卵巣嚢腫(のうしゅ)の手術後の妊娠率は?治療中は妊娠可能?

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卵巣嚢腫とは?

卵巣は子宮の左右に一つずつある「卵巣」と呼ばれる親指大程の大きさの臓器です。

卵巣嚢腫は卵巣内に液体や脂肪等の内容物が溜まり、嚢腫(のうしゅ)と呼ばれる腫瘍が出来る疾患です。

また卵巣嚢腫には、嚢腫の状態や溜まる内容物によって分類されます。

卵巣に出来る嚢腫は大きく分けて二種類あり、硬いしこりの様な腫瘍を「充実性腫瘍」と呼び、卵巣がんなど悪性の可能性が高いと考えられています。

また柔らかく水が溜まっている様な腫瘍を「嚢胞性腫瘍」と呼び、卵巣に出来る嚢腫の約八割は嚢胞性腫瘍で殆どが良性だと言われています。

 気になる症状や原因、特徴は?

卵巣嚢腫の原因は現在まだハッキリと特定されていません。

また卵巣嚢腫は嚢腫の中に溜まる内容物によって更に四種類に分けられ、それぞれ発症しやすい年代や特徴が異なります。

以下にその特徴と分かっている原因をまとめました。

●種類と特徴

粘液性嚢腫 ・粘度の高い液体が溜まる

・比較的嚢腫が大きくなりやすい

・閉経後になりやすい

漿液性嚢腫 ・卵巣の分泌液「漿液」が溜まる

・思春期以降幅広い年齢層にできやすい

チョコレート嚢腫 ・20~30代に多く見られる

・子宮内膜症が卵巣内にできてしまい、月経にともない血液が溜まる為、肥大しやすい

・不妊の原因になりやすい

皮様性嚢腫 ・20~30代に多く見られる

・両側の卵巣に出来る事もある

・卵巣内の胚細胞から嚢腫が発生し、毛髪や歯等の内容物が溜まる

●症状

卵巣嚢腫の症状は初期段階ではほとんど現れる事がなく、嚢腫がかなり大きくなるまで気が付かないケースも多く見られます。

嚢腫が肥大すると外側から触って気がついたり、腹痛や腰痛などを起こし発覚する事が多いようです。

また嚢腫が大きくなり周囲の臓器を圧迫する事で頻尿や便秘などの症状が見られたり、肥大した嚢腫が原因で卵巣の根元がねじれ「茎捻転」になる場合もあります。

 卵巣嚢腫の検査方法と治療法、また予防法は?

●検査方法

卵巣嚢腫の診断は内診と超音波検査によって行います。まず卵巣の大きさなどを調べ、卵巣嚢腫の疑いがある場合は精密検査が必要となります。

CTや造影MRI検査でさらに詳しく卵巣と周囲の臓器の状態を検査し、同時に卵巣腫瘍マーカーと呼ばれる血液検査で、腫瘍が悪性か良性かなどを総合的に判断します。

●治療法

卵巣嚢腫は良性で小さな間は経過観察となる事がほとんどです。

反対に嚢腫が悪性の場合や、大きさが7cmを超えると「茎捻転」を起こす可能性が高くなる為外科的手術を行います。

●予防法

ハッキリとした原因が分かっていない為、予防法は確立していません。

その為自覚症状がなくても年に一度定期健診を行い、月経痛が酷くなったり経血の量が急に増える、腰痛や下腹部痛がある、頻尿便秘などの症状がある場合は婦人科を受診しましょう。

卵巣嚢腫の手術と術後の妊娠率は?

●手術方法

卵巣嚢腫の手術は摘出範囲によって三種類に分けられます。

卵巣は妊娠に深くかかわっている臓器なので、手術の際は嚢腫のみの摘出する「嚢腫核出術」と、嚢腫の出来ている卵巣のみ、または卵巣及び卵管、子宮など周囲の臓器も摘出する「付属器摘出術」など、患者の意思と症状によって決定されます。

また手術には小さな傷口で体に負担を軽減する腹腔鏡手術と開腹手術があります。

●術後の妊娠率

例え嚢腫摘出の手術で片側の卵巣や卵管の摘出を行っても、片側が残っていれば自然妊娠は可能です。

ただ排卵する卵巣は毎回左右どちらからするか決まっているわけではないので、卵巣が一つになった場合、排卵する回数が減ってしまう可能性があり妊娠率に多少影響を及ぼす場合も考えられると言えます。

しかし手術をしたからと言って卵巣機能が低下するなどの因果関係は認められていません。

 卵巣嚢腫があっても妊娠できる?

嚢腫があっても妊娠は可能です。しかし嚢腫の位置が卵管に近い場合、卵管の閉塞や癒着などがおこり不妊の原因になる事もあります。

またチョコレート嚢腫が出来ている場合は、卵巣内に血液が溜まる事で卵巣機能の低下に繋がり、不妊の原因になりやすいと考えられています。

 

いかがでしたか?

卵巣は何か病気になっていても症状が出にくい事から[沈黙の臓器]と呼ばれています。自覚症状が現れる頃には症状が悪化しているケースも多いので、日頃から自分の気を付け定期健診を受けるなど予防を心がけたいですね。

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